2026.01.21
最近よく耳にする「ファストファッション」。
これは、流行をすばやく取り入れ、低価格で大量に服を生産・販売する仕組みのことです。
たしかに、気軽にトレンドを楽しめる点は大きな魅力です。
しかし一方で, 生産スピードや価格を優先することで、環境やものづくりの現場に負担がかかるケースも少なくありません。
便利さの裏側には、私たちがあまり知らない課題が隠れています。

・環境への影響
服を大量に作るためには、多くの水や染料、エネルギーが必要になります。
その結果、排水処理や廃水による環境負荷が問題になることもあります。
・服の「もち」
価格を抑えるため、素材や加工が簡略化されることがあります。
そのため、数回着ただけで風合いが変わってしまい、長く使いにくい服も少なくありません。
・地域のものづくりへの影響
また、大量生産・低価格の流れの中で、
私たちのような染工場や職人の仕事が選ばれにくくなる現実もあります。

私たちの工場では、手袋やニット製品を中心に、素材に合わせた染色や加工を大切にしています。
たとえば、ウールの手袋。
同じ「赤」でも、染め方や温度、時間によって、色の深みや温かみはまったく変わります。
だからこそ、
・手に取ったときにやわらかい
・身につけたときに自然と温かい
そんな仕上がりを目指し、一つひとつ丁寧に染めています。
さらに、ニット製品では色止めや風合い加工にも工夫を重ねています。
その結果、洗っても毛羽立ちにくく、長く使える製品になります。
こうした工程は、残念ながら大量生産では簡単に真似できるものではありません。
私たちは、次のような取り組みを続けています。
・ 廃水をできるだけ減らす工夫
・ 染料の使用量を見直し、無駄を少なくする
・ 少量でも高品質な染色方法の追求
また、香川県東かがわ市という地域に根ざし、この土地でものづくりを続けていくことも、私たちの大切な使命です。
環境にも、地域にも、無理のない服づくりを目指しています。
安いから。
流行っているから。
もちろん、それも服選びの大切な理由です。
ただ、もし余裕があれば、
「この服は、誰が、どんな場所で、どんな思いで作ったのだろう?」
そんな視点を少しだけ持ってもらえると嬉しいです。
私たち染工場の小さな努力も、皆さんの服選びによって支えられています。
手袋やニットの色や風合いにこだわることで、毎日の暮らしが、ほんの少し楽しく、心地よくなる。
私たちは、そんな染色をこれからも続けていきます。

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